ZARDを聴き始めたのは、1994年のアルバム『OH MY LOVE』からだった。もう13年になるのか。
その前の、『負けないで』とか『揺れる想い』も当然耳には入っていたけど、あまり惹かれなかった。それが、確か『もう少し あと少し…』で興味が出てきて、アルバムを待って買ったのが始まりだった。
以来アルバムは全部聴いてきた。シングルを全部買ったりはしてないし、ファンクラブにも入ってないけど、アルバムは毎度かなり楽しみにしていて、買えば何度も聴き込む、そんな感じのファンだった。
アルバム『永遠』あたりから、売り上げ的には落ちてきたようで、亡くなってからの報道等でも“90年代のスター”として紹介されることが多い。確かにその辺で、体調面とか、制作環境の面での転機はあったようだ。
しかし、自分にとっては21世紀に入ってからの作品も魅力的で、新しいZARDも楽しみにしてきた。全然過去の人なんかではなかった。
この13年間というと、自分は、学生からちょっと寄り道を経て社会人へと変化してきた時間だった。そういう中で、ZARDの歌声とともに過ごした時間は多い。
各アルバムの曲が、その時々のよく行っていた場所・会っていた人・やっていたこと・読んでいた本などとからまり合って記憶を作り、今の自分を作っている。
曲を聴くことで、写真なんかを見るよりもはっきりと、その時々の雰囲気や匂い、気持ちを感じることができたりする。
そういうZARDのアルバムの中で、一番聴いた回数が多いのは多分これだ。
片道2時間近かった通学の電車の中で、一日に何度も繰り返し聴いたし、流して聴いたのではなくて結構集中して聴き込んだから、今でも歌詞までしっかり覚えている。回数だけでなく、一番一生懸命聴いたのもこれかもしれない。
それだけに、今もこのアルバムを聴くと、当時のことをくっきりと感じることができる。いい思い出ばかりではないけど。
本当のところ、自分にとってのそういう存在は、ZARDだけではないし、ZARDが一番というわけでもない。
なのに今、自分でも意外なほどショックを受けている。リアルタイムで追いかけた人がいなくなるという経験がこれまでなかったとか、早すぎだし突然すぎたというだけでなく、自分にとってのZARD・坂井泉水が、あるいは音楽全般が、思ったより大きいものだったということかもしれない。
これから新しく、あの歌声とともに記憶を作っていくことが、もうできないと思うととても残念だけど、これまでに自分の記憶の中に刻まれた歌は、ずっと消えることはないし、これからも大事にしていきたい。