プロローグに出てくるゲーム、こういうゲームを知っているが、微妙に違っていて、2種類ある。
一つは、「ウインクキラー」と呼んでいたもので、カードで犯人役(これを「キラー」と呼ぶ)になった人は、他のプレーヤーにこっそりウインクするというもの。この本で「目くばせ」とされている部分がウインクになったものだ。私のやっていたこのゲームでは、プレーヤーは口をきいてはならないルールで、周りからみると雰囲気は異様だ。
もう一つは「探偵」と呼んでいたゲーム。これもカードで役割を決めるのは同じだが、役割決定後は部屋の明かりを消し、全員が伏せて周りを見ないようにする。犯人はこっそりと起きあがり、
ピコピコハンマーのようなもので誰かを殴って、またこっそりと元の位置に戻る。明かりを点けたら、探偵が犯人を探す。これは、かなり大勢でやるのが楽しいゲームで、学生のころ合宿などでよくやったものである。
特に大学生のころは、この「探偵」がかなりエスカレートしたゲームを恒例行事としてやっていた。参加者は数十人、犯人は5人設定し、1人が主犯、4人が共犯となる。犯人達は、明かりを消したら座布団等を使ってとにかく大暴れする。誰彼構わずたたいたりひきずったり積み上げたり。そして制限時間が来たら、犯人達は被害者を一人決め、全員で一つの枕を持ち、被害者の上に落とす。このとき、主犯役が最後に枕から手を放す、という決まりが一応ある。それを手がかりとして、探偵は5人の中から(5人が誰かは、さすがにこれだけ大暴れすればみんなわかっている。)主犯を探すのである。
それはともかく、この小説は、ホラーなのかミステリなのかSFなのかよくわからないままどんどん進行していく。ここでは結末には触れないが、青春小説として爽やかに読める小説である。でも、自分自身が十代のころならもっと感情移入して世界に入り込んで読めたと思うのに、今となってはそうもいかず、ちょっと引いた位置から読んでいる。読後、そんなことに気づいて、少しさびしく感じたりもしてしまった。