かなり煽った感じのタイトルで、ちょっとどうかなと思ったのだが、読んでみると非常にまっとうな内容の本だった。
談合、ライブドア・村上ファンド、耐震偽装、パロマといった、昨今ニュースを賑わせてきた問題を取りあげながら、「法令遵守」ばかりにとらわれることの危険性を、企業、行政、司法、マスコミの各分野にわたって指摘する。個々の事象を解説するだけでなく、社会全体の制度や歴史的経緯を踏まえて問題を明らかにしていくので、非常に納得できる。
そして、簡単な話をしているわけではないのだが、簡明な表現でわかりやすい本である。
この本で指摘されている問題点は、『会社はだれのものか』(岩井克人)が指摘していることとも、部分的に重なるところがあるように思う。
コンプライアンスという概念が「法令遵守」という訳で、株主至上主義的経営とともに輸入されてきた結果、「法令に反しなければ何でもアリ」という意識が蔓延し、ひき起こされている問題がいろいろありそうだ。
法律と経済という別の分野から切り込みながら、たどり着いている結論が似ている気がするので、併せて読むといいかもしれない。